「学ぶ意欲が、ワクワクスペース」(中学5教科)

勉強への意欲が出る!めちゃくちゃわかる、を感じるひと時

短歌や俳句の世界に命を吹き込む日本語力

 

与謝野晶子の短歌で、

 

「夏の風 山よりきたり

  三百の 牧の若馬 耳ふかれけり」

 

 

 

 

という歌があって、

 

 

 

「たくさんの若馬」というよりも、「三百の若馬」という方が臨場感がある、

 

ということが受け取れる歌だという内容。

 

 

イメージをしたときに、「たくさん」を自分で具体化するのは難しいけれど、

 

「三百」の若馬、と言われると、三百匹の若馬をすべて想像はできなくても、

 

なんだか頭の中に浮かぶ情景は、「たくさん」よりは見えてくる。

 

 

 

 

数値化するって、そんな上でもアリですね。

 

臨場感ってそんな場合に使うんですよね。

 

 

聞いたり読んだり見たりする中で、

 

実際に自分がそこにいるように感じること。

 

 

 

 

実際の時と似通った体験できる状態を作って、

 

「臨場感」たっぷりとかいう

 

リアルな臨場感、って、

 

なんか、頭痛が痛い、みたいな言い回しで、

 

どうもしっくりこなくて。。。

 

 

まあ、それはまた別の時に、

 

 

 

 

和歌はたった三十一文字の中で、

 

世界を作る。

 

 

 

もっとすごいのかどうなのか、

 

俳句は十七文字の世界。

 

今ではテレビでも、

 

いろんな方が短歌をされてて、

 

ほんの一瞬の風景で、

 

ホントにすごいなと思えるイメージが出来上がる。

 

 

以前、何かで読んだ話の中で、

 

ある人が、外国に仕事に行って、

 

休憩の時に、

 

日本から持って行った短歌が載っている本を読んでいたら、

 

他の国の人たちが、

 

「それは何だ。」と尋ねる。

 

 

「日本の昔からある詩だ。」

 

と答えると、

 

その人たちが、

 

「どんな詩なのか教えてくれ。」

 

という。

 

 

 

その人は、

 

「古池や、

 

 蛙飛び込む

 

 水の音」

 

 

と、

 

伝えたところ、

 

 。

 。

 。

 。

 

 

「で、続きは?」

 

 

と聞いてきた。

 

 

 

というお話。

 

 

 

 

 

そりゃ、そうですよね。

 

どんなふうに伝えたのかはわかりませんが。

 

 

普通に話せば、

 

 

「古いお池がありました。

 

 蛙が一匹飛び込みました。

 

 その音が聞こえました。」

 

 

というもの。

 

 

「でっ?」

 

 

てなりますよね。

 

 

 

でも私たちは、その中で、

 

古い池を想像して、一匹の蛙が飛び込むさまを見る。

 

そしてそのわずかな「ポチャン」なのか「トポン」なのか、

 

その音を聞く。

 

 

 

そんなかすかな音さえはっきり聞こえる、

 

静かな情景、

 

古池の中に飛び込む小さな蛙の姿を

 

古池がある そのアングルから蛙にズームさせる。

 

か どうかは、人それぞれで、知らんけど、ってことになりますが。。。

 

 

すごいイメージ力ですよね。

 

頭の中に、1分弱のmovieが完成する。

 

 

 

言葉のすごさ。

 

それを読み取る感性というのも、

 

人を育てる気がします。